『エリーゼのために』が嫌いです
〜ナースガープの小言〜
看護師

残業なんてしないで済む!看護記録の書き方〜SOAP殺人事件〜真相編

え〜事件編はいかがだったでしょうか?

看護記録つまりSOAP形式で考えていくとさまざまな観察力、分析力がついてくるという

お話をしました。

読んでいただいた方はSOAPで真犯人を導き出せましたか?

まだお読みになっていない方はこちらの事件編を先にどうぞ!

残業なんてしないで済む!看護記録の書き方〜SOAP殺人事件〜事件編SOAP形式の看護記録の記録の書き方。ミステリーの考え方がわかれば書くスピードがあがる=サービス残業することが減る!新人看護師さん必見の内容!SOAPが苦手、看護記録で残業してしまう人はぜひ最後までお読み下さい。看護学生も実習で役立ちます。...

さて、今回は事件の真犯人はだれだったのか?

真相編はこのあとすぐ。

SOAPのおさらい

まずはSOAP形式の基本のおさらいから

S(Subject)主観的情報
  • 患者さんの話していること
  • 自覚症状や心理的な訴え(おなか痛くて不安なんですetc
  • 患者さんの家族の想い
O(object)客観的情報
  • 検査・診察などから得られる情報
  • バイタルサイン測定などで観察したこと
  • 実施したことまた実施をしたことの結果
  • S以外の情報
A(assessment)評価
  • S情報O情報をもとに分析、評価し患者さんの今の状態と今後の課題を考える
P(plan)計画
  • Aで考えたことを改善するには今後どのようにすればいいか計画を立てる。

S(主観的情報)とO(客観的情報)の各視点から情報を整理して、その情報を元にA(分析・評価)をし、そのAを踏まえて改善するためのP(計画)を立てていく。

事件の概要

ここはとあるA病院。

深夜2時ごろ院内の休憩室にて20代の看護師が頭から血を流し仰臥位の状態で倒れていた。

身元はこのA病院の非常勤看護師Sさん。夜勤中の仮眠から時間になっても戻ってこないため、その日一緒に勤務していた看護師Yさんが休憩室へ様子を見に行き発見し通報。

Y看護師は仮眠の交代時間が過ぎているのに気づいたのは患者さんの対応をしてナースステーションに戻ってからだった。

現場検証によると頭を鈍器のようなもので殴られそれが致命傷になったとの報告。

死亡推定時刻午前1時〜2時ごろ。

凶器のようなものは見つかっていない。

なお現場検証の捜査情報はだれにも明かさずに事情聴取している。

Y看護師はナースコールで認知症患者に呼ばれて午前1時45分から2時15分のあいだ患者のグチを聞かされていたとのこと。

Y看護師の証言によって別れた彼氏にしつこくされていたとの証言があったが

元交際相手のUさんにはすでに別に交際している人物がいた。

Uさんのアリバイは証明され、新たに被害者Sさんが勤務していたA病院内の男と交際しているとの情報を得る。

被害者Sさんの現在の交際相手はF医師だった。

F医師は事件当日は休日であったが症状が気になる患者がいたため前日の午後11時頃から翌1時ごろまで医局で仕事をしていたとのこと。

F医師が医局にいたことを証明できる人間はいない。

F医師と被害者Sさんが付き合っていることは本人たちは隠していたが、A病院内ではもはやウワサにはなっていた。

事件関係者の証言まとめ

Yさんの証言

Yさん

患者さんのグチを聞かされて戻ってきたら仮眠の交代時間になって15分経過していたんです。
Sさんが戻っていなかったので心配になって見に行ったらSさんがだれかに殴られたのか頭から血を流して倒れていたんです。うううう・・・
最近、別れた彼氏にしつこくされていると相談されてました・・・

元交際相手Uさんの証言

元交際相手Uさん

Sとは付き合っていたけどもうとっくにふっきれてますね〜。未練ないっすよ。
つきまとっているなんてとんでもない。俺にはもう別な彼女いますよ。昨日の午前1時ごろその彼女といました。

そういえば今は同じ病院の男と付き合ってるって聞きましたよ。

F医師の証言

F医師

たしかにSとは付き合っていました。もちろん愛していました。結婚も考えていたんです!とてもいい彼女でしたが残念です。

Sはだれかに殴られるような人間ではありません!

いったいだれが彼女を….なんで彼女が殺されなきゃいけないんだ!

犯人にとても怒りを感じますよ!

真相

では真相にせまってみましょう。

#1 容疑者は外部の人間の可能性がある

S 主観的情報

元交際相手U

俺にはもう別な彼女いますよ。昨日の午前1時ごろその彼女といました。

O 客観的情報

元交際相手Uは被害者Sへの未練はなく新しい交際相手がいる

事件当日、別な場所でその交際相手といっしょにいたことは証明された。

また被害者Sの現交際相手はF医師であった。

A 分析 評価

元交際相手Uにはアリバイがあった。

新しい交際相手もいるため動機もなし。

またF医師が現在交際していることを認めているため元交際相手Uが犯人であるとは考えにくい。

P 計画

被害者Sの関係者である外部の人間である可能性は限りなく低いためプラン終了する。

#2 もう1度被害者との関係を洗い出してみる

S 主観的情報

F医師

たしかにSとは付き合っていました。もちろん愛していました。
結婚も考えていたんです!
とてもいい彼女でしたが残念です。

O 客観的情報

F医師と被害者Sは付き合っていることを本人たちは秘密にしていたようだが、すでにA病院内でウワサになっていた。

F医師は事件前夜の午後11時ごろから翌1時(事件当日)までA病院内の医局で仕事をしていたがそれを証明できる人間はいない。

A 分析 評価

#1より元交際相手Uは容疑者から外されアリバイのないF医師が第1容疑者として浮上してくる。

またこれで被害者Sの関係者はすべて洗い出せたと考えられる。

P 計画

関係者は洗い出せたため#2終了。すべての情報がそろったため最終的に犯人を考察していく。#3立案する。

さてここからが最終評価(考察)です。真犯人はわかりましたか?

#3 この中に真犯人がいる可能性がある。

S 主観的情報

Yさん

Sさんが戻っていなかったので心配になって見に行ったらSさんがだれかに殴られたのか頭から血を流して倒れていたんです。うううう・・・
最近、別れた彼氏にしつこくされていると相談されてました・・・

F医師

Sはだれかに殴られるような人間ではありません!

O 客観的情報

深夜2時ごろ院内の休憩室にて20代の看護師が頭から血を流し仰臥位の状態で倒れていた。

凶器のようなものは見つかっていない

Y看護師はナースコールで認知症患者に呼ばれて午前1時45分から2時15分のあいだ患者のグチを聞かされていた。

F医師は事件当日は休日であったが症状が気になる患者がいたため前日の午後11時頃から翌1時ごろまで医局で仕事をしていた。

F医師が医局にいたことを証明できる人間はいない。

F医師と被害者Sが付き合っていることは本人たちは隠していたが、A病院内ではもはやウワサになったいた。

なお現場検証の捜査情報はだれにも明かさずに事情聴取している。

A 考察

F医師にアリバイはなく、Y看護師も認知症患者の話を聞いていたが確実な証言はとれないと考えられる。

また遺体発見時、現場では頭から血を流し仰臥位になっていたが検証結果はだれにも明かしていない。

凶器もみつかっておらず転倒事故の可能性も考えられるが、なぜかF医師とY看護師は誰かに殴られたとの証言をした。

2人はアリバイもなく捜査官と犯人しか知りえない情報を自ら話していた。

よって2人共犯で被害者Sを殺したと考えられる。

P 計画

F医師Y看護師へ再度事情聴取おこない、自供を促してみる。

エピローグ(取調室にて)

取り調べにてF医師とY看護師は自供をはじめた。

F医師

実はSとつきあっていましたが、もはや関係は破綻していました。
そんなときにYに相談しているうちにお互いに惹かれあいYと本気でつきあうようになりました。
しかしSに別れをきりだしてもなかなか別れてくれず病院内に
もて遊ばれ捨てられたと言いふらすと脅されました。
殺す気なんてなかったんです。直接手をくだしてしまったのはわたしです。

Y看護師

Sさんとつきあっていたのは知っていましたがF先生のことを相談にのっているうちに好きなってしまいつきあうことに…
Sさんとは関係が破綻していると聞いていたのですが…
わたしSさんにずっと仕事中にいやがらせを受けていました。
当日の夜勤中も2人っきりでつらくしょうがなかったんです。
それをわかってかF先生も来てくれました。

被害者SとY看護師の夜勤中にF医師が訪れ、その場が修羅場になった。

被害者SとF医師が口論となり、Y看護師にむかって

被害者S

あなたが目障りなのよ。殺してやる!

注射針を持って襲いかかってきたところF医師がもっていた打診器で被害者の頭部を殴打した。

直接的死因は頭部外傷からの外傷性くも膜下出血によるもの。

凶器は医療廃棄物倉庫から見つかった。

その後2人で被害者を仮眠室へ運び、F医師が帰宅してからY看護師が発見を装った。

これが事件の全貌であった……

状況証拠だけであったが最後は医療従事者としての良心なのかすべてを認めた。

なんとも病院内でのウワサの広がり方看護師同士の人間関係のコワサが引き起こした悲劇であった……

では最終評価です。看護記録に置き換えれば患者さんが退院する際の評価になります。

S 主観的情報

F医師

殺す気なんてなかったんです。直接手をくだしてしまったのはわたしです。

O 客観的情報

被害者SとF医師が口論となり、Y看護師にむかって

注射針を持って襲いかかってきたところF医師がもっていた打診器で被害者の頭部を殴打した。

直接的死因は頭部外傷による外傷性くも膜下出血。

凶器は医療廃棄物倉庫から見つかった。

その後2人で被害者を仮眠室へ運び、F医師が帰宅してからY看護師が発見を装った

A 考察

状況証拠のみだがSデータにて自供し殺害を認めた

またY看護師も直接殺人には関わっていないが死体遺棄罪は犯してしまった。

P 計画

事件解決。すべてのプラン終了する。

まとめ

真実はいつもひとつ!

いかがだったでしょうか?

とってつけたような真相でミステリーとしてはどうかと思いますが、

SOAP形式での看護記録と看護計画の展開の仕方はこんな感じで考えていけようになれば

すこしは楽しく記録を書けるのではないかと思います。

これを読んで参考にし

みなさんのサービス残業が少しでも減ることを祈っております!

記録で残業せずにとっとと終わらせて定時に帰ろう!

最後までお読みいただきありがとうございました!