看護師1〜3年目のみなさん
退院や転院する患者さんの看護サマリーって書くのにボチボチ困ってりゃ〜しませんか?
転院先や訪問看護ステーションの別な看護師さんたちに読まれると思うと書くだけなのに緊張しますよね?
そんな看護サマリーを書くのが苦手だという方に向けてわたしの経験と考えから答えを導き出した
『誰でも書ける看護サマリーの書き方の考え方』
という話を基礎的なことからしていきたいと思います。(書式は各病院や施設などで違うと思うのであくまで考え方です)
結論
昔話「ももたろう」ってどんな話だったかを思い出せば誰でも書けるようになる!
なにをいっているのかよくわからないので解説していきます(笑)
看護サマリーってなに?
まずはサマリー(summary)ってなんでしょうか?意味はこんな感じです。
もっと簡単にいうと「まとめ」です。
つまり看護サマリーとは
ということになります。
看護サマリーを書くのは今の療養の場で治療、看護が完結せず転院(リハビリ病院、介護施設など)退院(在宅看護)または病棟の転科転棟する場合
次の受け入れ先に継続的な看護を効率的に行なってもらうために作成する医療情報です。
Drでいう診療情報提供書のナース版ということです。
看護サマリーに書く内容
では何を書くのかどんなことを書けばいいのか?
主に下記の通りです。(病院や施設などによって書式は変わりますが…)
- 患者さんの基本情報
(氏名、生年月日、住所、家族構成、キーパーソンとその連絡先) - 既往歴
- 現病歴
(医師が診断した主病名、治療経過、看護内容など) - ADL(日常生活動作)状況
- 看護上の問題点
- etc….
まあたくさんあります(笑)
この中でいちばん書くのが困っているのはズバリ!現病歴ですよね?
その他のことは日頃の看護記録やDrカルテ、入院アナムネ(入院基本情報)に書いてあることをそのまま記載すれば良いです。
こいつがくせ者?現病歴!
さてやっとメインディッシュです(笑)
みなさん自分が他院から送られてくる看護サマリーの現病歴ってどう読みますか?
最初はじっくり読むことは少ないと思います。流し読みしていると思います。
あまりにも長すぎると途中で読むのに疲れますよね?(ブログもいっしょ)
あまりにも短すぎるとちょっと怒りを感じますよね?(笑)
だから書くのに緊張するし悩むんです。
看護サマリーは長すぎても短すぎてもいけません。
「桃太郎」のストーリーを見直そう
現病歴とはその患者さんの療養経過が主に書くべきことです。つまり入院してから退院(転院、転科)までの療養生活ストーリーを要点をまとめて記載する必要があります。で
そう。ストーリーなんです。
では『ももたろう』ってどんな話ですか?話を知らない人に説明しましょう。
「ももたろうが鬼を退治する話」
あってはいますがこれじゃ端的すぎて結果しかわかりませんよね。
「患者さんが貴院に転院します」
と書くようなものです。これじゃ相手先に伝わらないしベテランナースや上司に
「なめてんの?」
確実に怒られます(笑)
まずは冒頭を考えよう(入院までの経緯)
「ももたろう」に戻ります。漢字でも「桃太郎」というくらいなのでご存じの通り
「桃から生まれた」から桃太郎ですよね?
「桃から生まれたももたろうが鬼を退治する話」
どうでしょう。かんたんな冒頭が入りました。
「〇〇の診断で入院した患者さんが貴院へ転院します」
少しははじめて読む相手に情報がひとつ追加されました。
冒頭をもっとふくらませてみましょう。
「むかしむかしおじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川で洗濯をしていました。すると川上からどんぶらこどんぶらこ・・・・・中略・・・・・桃から生まれたので『ももたろう』と名づけました。(そして鬼を退治しました。」)」
どうでしょう?今度は冒頭からすごく長すぎて「そこはいらないだろ?」ってなりますよね。
これをやっていくと「まとめ」ではなく「全編」です。
看護記録全部写すことになります(笑)
「むかしおばあさんが川で洗濯をしていたときに拾ってきた大きな桃を家に持って帰りました。食べようと桃を包丁で切ろうとするとなんと桃から男の子が生まれました。桃から生まれたため、名をももたろうと名づけました。(そして鬼を退治しました。)」
かなり要点がまとまってきました(おじいさんはいりません。)
「○年○月○日○時ごろ食事をしようとすると突然呂律が回らなくなり持っていた箸を持てなくなった。家族が救急要請し当院へ搬送。頭部MRIの結果、アテローム性脳梗塞と診断され入院となった(患者さんが貴院へ転院します。)」
こんな感じに冒頭(入院時の様子)がまとめられました。登場人物は家族や友人などでまとめられます。(登場人物がたくさん出てくるとカオスになります(笑))
途中経過を考えよう(入院中の治療、看護経過)
さて冒頭場面は完成しました。あと『ももたろう』を語るのに必要なことってありますか?
そうです。大切な仲間たちとの出会いがありますね。
先ほどの冒頭のようにまとめてみましょう!(冒頭部分と結末はカットします)
「ももたろうはすくすくと育ち村の人たちを困らせている鬼を退治しにおばあさんがこしらえてくれたきびだんごを持って鬼ヶ島へ向かいました。鬼ヶ島に向かっている途中、犬と猿とキジがきびだんごを欲しがってきたのであげるとももたろうの家来になり、鬼退治へ同行することになりました。」
ここまでくれば、だいぶ話としてまとまってきているのがわかりますね。
「入院後、禁食となりアルガドロバン点滴、DAPTにて治療開始。○月○日より点滴終了し現在DAPTのみ継続。リハビリテーション、ペースト食開始。むせ込みあるがトロミつきにて水分摂取可能。嚥下状態良好なため現在は常食へ食事形態アップしている。リハビリテーション順調に進みADL拡大傾向している。」
「ももたろう」を知っているなら(知らない人いる?)この仲間にする話(経過)をみなさん余裕で話せますよね?
締めの言葉は至って基本は一緒(何で転院するのか)
「ももたろう」の話の最後はなんでしょうか?再び要点をまとめてみましょう。
「犬、猿、キジを味方につけたももたろうは鬼ヶ島へ行き、見事鬼を退治して村は平和になったとさ。めでたしめでたし。」
こんな感じです。これをまた看護サマリーに当てはめてみると
「急性期治療終了し今後、自宅での生活を本人、家族ともに望んでいるため更なるリハビリテーション目的にて貴院へ転院となる。」
これでそれぞれの要点をまとめられたのではないでしょうか?次のまとめで見ていきましょう。
まとめ
日本昔ばなし『ももたろう』
「むかしおばあさんが川で洗濯をしていたとき、拾ってきた大きな桃を家に持って帰りました。食べようと桃を包丁で切ろうとするとなんと桃から男の子が生まれました。桃から生まれたため、名をももたろうと名づけました。ももたろうはすくすくと育ち村の人たちを困らせている鬼を退治しにおばあさんがこしらえてくれたきびだんごを持って鬼ヶ島へ向かいました。鬼ヶ島に向かっている途中、犬と猿とキジがきびだんごを欲しがってきました。きびだんごををあげる3匹とも、ももたろうの家来になり、鬼退治へ同行することになりました。犬、猿、キジを味方につけたももたろうは鬼ヶ島へ行き見事鬼を退治して村は平和になったとさ。めでたしめでたし。」
リハビリテーション病院先への『看護サマリー』
「○年○月○日○時ごろ食事をしようとすると突然呂律が回らなくなり持っていた箸を持てなくなった。同居家族が救急要請し当院へ搬送。頭部MRIの結果、アテローム性脳梗塞と診断され入院となった入院後、禁食となりアルガドロバン点滴、DAPTにて治療開始。○月○日より点滴終了し現在DAPTのみ継続。リハビリテーション、ペースト食開始。むせ込みあるがトロミつきにて水分摂取可能。嚥下状態良好なため現在は常食へ食事形態アップしている。リハビリテーション順調に進み、付き添い歩行できるまでADL拡大傾向している。急世紀治療終了し今後自宅での生活を本人、家族ともに望んでいるため更なるリハビリテーション目的にて貴院へ転院となる。」
どうでしょうか?だいたい300文字程度に収まりました。(てか数え間違えなければ同じ文字数)
- 患者さんの療養ストーリーを考えよう
- 読み手のことを考えて長すぎず短すぎず(300文字程度が理想)
- 冒頭、途中経過、締めと構成ごとに考えてみよう
今後、看護サマリーを書くことは看護師の仕事をしている限り、避けては通れない道です。今回は誰でも知っているであろう話『ももたろう』を題材にしましたが他の昔話でも好きな漫画でも自分なりに要点を考えながら練習として書いてみるときっと看護サマリーなんか怖くなると思います。
知っている話をまとめるのはサマリーとして同じことです。
ぜひ実践してみてください!以上参考になればうれしいです!
最後までお読みいただきありがとうございました!
まとめ上手はいい文章書ける!